2015年04月04日

『武州通信』第222号

一月往ぬる二月逃げる三月去る。本当に慌しく、当てにしていた「明日」はすぐに「今日」に、その「今日」はすぐに悲しき「昨日」へと移ってしまう。こうして僕の二月・三月はあっという間に逃げ去ってしまいました。
そして、今は四月、むせるような花の季節の到来です。

《アメリカの小学校の教育事情》の巻 

 ダブリンと聞いてまず思い浮かぶのはアイルランドの首都ダブリンですよね。でも、アメリカのオハイオ州の郊外にもダブリンという都市があります。さすがに移民の国アメリカ、オハイオ州のダブリンもアイルランド系の移民が作った都市だそうです。そして現在でも、アイリッシュパブ、アイリッシュダンス、パレードにはバグパイプ隊、というようにアイルランドの文化が息づいている人口4万3千人の何となくのんびりした地域のようです。

 ところで、3月7日の『オアシス武州』は藤井美智子さんによるオハイオ州のダブリンでの体験談「アメリカの小学生の教育事情について」でした。藤井さんには2002年にも「アメリカの障害児教育」というテーマでお話していただいたことがあります。あれからもう13年も経つんですね。

 藤井さんは2年前の夏、ご主人の転勤で、一年間ダブリンで生活をされたのですが、当時10歳だった息子さんが転入した現地の小学校は日本の学校に馴染んでいた藤井さんにとって、「へぇー」という驚きの連続だったようです。  
 例えば、始業式や卒業式がない。教科書は一人一冊ないので教室の本棚に置いてあり、必要な時には皆で一緒に使う。算数の九九はPCゲームで覚える(自分の好きな解き方で丸暗記)。宿題も少なく一日20分間の読書やたまに算数のプリントなどが出るだけ。更に、昼休みが45分と長く、ネットゲームやDSで遊ぶのもOK。そして、何と言っても6月から8月末までの長ーい夏休みや3週間のクリスマス休暇も…。だから、夏休みなどには子ども達はキャンプに行ったり、朝10時頃から夜の8時半頃まで遊ぶ日々だったり、とのこと。これだけ聞いただけでも、どうやら日本とは大違いのようです。

 まだまだあります。スナックタイムといって持ってきたスナックを食べる時間もあれば、誕生日にはクラス全員分のスイーツを持参することができるし、季節の行事が学校やクラスの行事になり、ハローウィンやクリスマス、それにバレンタインデーまであって、お菓子を持ってきてクラス全員で交換し合う。何だかお祭りのような学校生活ですね。

 それにしても、海外から転入した生徒は大丈夫なのかな? と思うのですが、ダブリン市は外国人の割合が多いので、クラスの四分の一は外国人で、日本人のほかに中国人、メキシコ人、インドネシア人、インド人などが在籍し、ESL(English as a Second Language=英語を母語としない人達のための英語教育) が充実していて自然に受け入れてもらえたようです。さすが “人種のサラダボウルの国”、その辺はずいぶん手厚いようです。

 それでは息子さんの感想は? アメリカの授業は面白い。課題をするときは、一人でしてもペアでしてもグループでしてもOKで、自由なところが好き。また、先生からの質問に子ども達からいろいろな意見が飛び出すのですが、どんな意見に対しても先生が否定的なコメントをしないところも気に入っていたようです。日本も少しは見習ったほうがいいかも?

 そしてアメリカの小学生の放課後は、習い事(ピアノ、バレエ、水泳、サッカー、アメフトなど)に行く日があるものの、基本的には夕飯前まで近所の友達と遊ぶというのが子ども達の日常のパターンだったようです。―「とにかくダブリンの子どもたちはのびのびしていました。この “のびのびさ” はどこからくるのか不思議です。 塾とは無縁の生活を送っている子どもが大半で、高校まではそのまま進級できるので大学受験まで受験ストレスがないからかな?」と藤井さん。確かにそういう側面もあるのかもしれません。

 こうして藤井さんのアメリカの小学校での「へぇー」体験を聞いていると、何だか昨年の『オアシス武州』の日野直子さんのお話「イギリスの小学校と日本の小学校」が二重写しになってきます。もしかしたらアイルランドとイギリスが隣同士の国だからなのかな?(とは言え、確かにアメリカは州ごとに教育状況は異なっていますが、それでも「へぇー」っと のけぞるほどの違いはないことでしょう。) どうやら、欧米の小学校は日本の小学校より遥かにはるかに自由なようですね。

 さてこの違いは? 「文化が違うからさ」と単純に割り切って考えることもできそうですが、果たして…? 皆さんはどう思われますか。         

(斉藤 悦雄)

【インフォーメーション】
  4月18日『武州大学』 7:00pm 〜
   テーマ :ウィトゲンシュタイン『哲学探究』を考える part.5
   レポート:斉藤悦雄
5月16日『武州大学』  7:00pm 〜
   テーマ :ウィトゲンシュタイン『哲学探究』を考える part.6
   レポート:斉藤悦雄
  6月13日『武州大学』  7:00pm〜
   テーマ :ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて』を読む part.1
   レポート:石本朋子さん
 ※関心のある方は是非参加してください。

posted by 武州ゼミナール at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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